5月の「書道芸術」にかな手本

2024.5

峰子先生のかな手本が5月の「書道芸術」に掲載されました。

五月雨にかくれぬものや瀬田の橋
今回は、1688年芭蕉45歳の時の作です。瀬田の橋は、広重の浮世絵、近江八景「瀬田の夕照」として描かれており、ことわざ「急がば回れ」の語源としても有名だそうです。




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第57回玉松会

2024.4.9〜14

第57回玉松会が、鳩居堂画廊で 開催。
初日の9日は、午前中から昼過ぎまで、雨のみ
ならず強い風で、私も予定をずらすことになりましたが、 当日は入学式が行われた学校も多く、新しい制服が濡れてしまい、逆に思い出に残る?
忘れられない入学式になりそう説もチラホラ。

さて、今回の作品は、
式子内親王(しょくしないしんのう)の歌です。


山深み 春とも知らぬ 松の戸に 絶々(たえだえ)かかる 雪の玉水

式子内親王


式子内親王といえば、百人一首の
「玉の緒よ絶えなば絶えね・・・」が、有名ですが、この「山深み ・・・」は、新古今和歌集に収録されています。
佗しい系の歌なのかもしれませんが、「雪の玉水」で、キレイな光景が見えてくる気がします。
また、式子内親王の読みは、(しきし・・・)
ではなく、(しょくし・・・)が正しいのだと
峰子先生から教わりました。

今回も、お孫さんが作品を出品されています。

目出度さもちう位也おらが春

小林一茶


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12月の「書道芸術」にかな手本

2023.12

峰子先生のかな手本が「書道芸術」の実用書ページに掲載されました。お手本は今までも数多く
書かれてきましたが、実用書ページへの
掲載は初めてとのことです。
展覧会へ出品される芸術性の高い作品と違い、
私たちでも素直に読めますが、変わらず
気品に満ちた美しい書ですね。




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毎日書道展

2023.7.13〜8

毎日書道展74回展が、国立新美術館で、
開催されました。審査会員でもある峰子先生の
品格ある、キリリとした、魅力あふれる、お洒落な書に感嘆です。

この度は、会場に伺うことができず、残念でしたが、バッチリな写真を撮っていただき、ありがとうございました。

今回の作品は、源実朝です。


夕やみの たづたづしきに 郭公(ほととぎす) 聲うらがなし 道やまどへる

源実朝


源実朝は、昨年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」での姿が印象的でした。wikiによると、少数ではあるが、時代の水準を大きく超える独創的な和歌を残しているとのこと。
また、正岡子規は「三十にも足らで、いざこれからといふ処にてあへなき最期を遂げられ誠に残念致し候。あの人をして今十年も活かして置いたならどんなに名歌を沢山残したかも知れ不申候」「力量あり見識あり威勢あり、時流に染まず世間に媚びざる処」と、絶賛しています。
歌には門外漢の私ですが、実朝の歌には、なんだか切なさを感じる歌が多いような気がします。
没後、妻は落餝( 身分の高い人が髪を剃りおとして仏門に入る)し、御家人百余名も出家したとあるので、慕われた人なのだと思います。



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第56回玉松会

2023.4.4〜9

第56回玉松会が、銀座の鳩居堂画廊で、 開かれました。


峰子先生の作品は、芭蕉の俳句。
「散」を中心に、強弱をつけた文字の配置が
力強く、美しい作品です。

清滝や波にちり込青松葉

松尾芭蕉


今回も、お孫さんが作品を出品されています。

これやこの往くも帰るも別れては

知るも知らぬも逢坂の関

蝉丸


長らく、時間を合わせて集まることが出来ません
でしたが、今回は、高橋さんとも時間が合って、
話題は、特注の筆、二見ケ浦、ツーリング、
締めは、岩崎久弥夫人、寧子さんのハガキの
解読にまで話がはずみました。
じわじわと日常が戻りつつあるのを感じます。

 

2023年4月6日 毎日新聞 夕刊「書の世界」に
玉松会書展が紹介されました。

右クリックで画面だけ表示すると拡大されます

 

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第76回書道芸術院展

2023.2.5〜2.11

第76回書道芸術院展が東京都美術館で、
開催されました。期中、雪も降りました。
峰子先生の作品は、縦240cm✖️横60cm。
今回も、美しい大作です。

さて、作品は、金槐和歌集から源実朝です。
作品制作中は「鎌倉殿の13人」が放送中で、
実朝(1192〜1219)が気になり、
作品にされたそうです。

歴史教科書での源実朝は、鎌倉幕府3代将軍で、歌人でもあったが暗殺され、源氏直系の将軍は
3代で絶えた...ぐらいだったかと。
「鎌倉殿〜」の苦悩する実朝は、
印象に残りましたね。


山ふかみたづねてきつる木(こ)の下(もと)に 雪と見るまで花ぞ散りける

源実朝


さて、万葉仮名は、
 やま(万)深み(婦家三)
 尋ねて(堂川年天)きつる(幾つ留)
 木の下に(ニ)雪と見るまで(亭)
 花ぞ(處)散りける(遅り介類)
です。


次は、指導者展のコーナーの作品です。
作品サイズは 縦24cm✖️横28cm
是非、右クリック:画像だけを表示して
見てください。
惚れ惚れするほどに美しいですよー。

あらし吹く 三室の山の もみぢ葉は
龍田の川の 錦なりけり

百人一首69 能因法師


あらしふく三室の山の(能)もみぢ(も美遅)葉は(八) 龍田の(農)川の(乃)錦なりけり(難り希梨)

能因法師は、平安時代の僧侶で歌人。ある時、「都をば霞とともに立ちしかど秋風ぞ吹く白河の関」という歌を詠んだのだけれど、白河を旅したことはなく、まず、旅に出たという噂を流し、そして家に隠れこもって日焼けをしてから発表したそうで、誠に手の込んだフェイクを仕込んだ人でもあったようですが、それって結局は、
バレたのですよね?!

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書道芸術院創立75周年記念東京総局展

2022.10.4〜9

銀座紙パルプ会館2Fフェニックスホールで、
書道芸術院創立75周年記念東京総局展が
開催されました。
楽しみにしていたのですが、行けなくなり、
峰子先生に写真を送っていただきました。
今回、峰子先生は3作品を出展されましたが、
3作品それぞれに趣が違います。
さあ、最初の書は、180×60の大作。
とても力強い作品です。


駿河路や花橘も茶のにほひ

芭蕉

さて、クイズです。
この中には、(毛)(能)(耳)(奉)(飛)と、
5つの万葉仮名が使われていますが、
さて、皆さま、お分かりになりますか?

次は、一茶の句です。

故郷(ふるさと)は雲のさきなり秋の暮れ

一茶


句と同様に、優しいですね。
ここにも万葉仮名が使われていますよ。
(盤) (能) (斜支) (難り) (久禮) わかりますか?

3番目の書(右)

遅き日のつもりて遠き 昔哉

蕪村

美しい掛け軸ですね。
ゆったりとした今風の日本家屋にかけたら、
とても似合う気がします。
ここでの万葉仮名は、(於曽幾)(濃)(都もり)(支) (無可し)
万葉仮名の選び方ひとつで、全体の印象も
違ってくるのでしょうね。

さて、
高校生のお孫さんの作品もご紹介しましょう。
「蓬莱切」の臨書です。
「蓬莱切」は、藤原行成筆と伝えられる平安時代の古筆で、当時の貴族が手習いの手本としたと
いわれており、今は、高校の教科書にも出ているそうですよ。



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毎日書道展

2022.7.13〜8.7

毎日書道展73回展が、国立新美術館で、
開催されました。今回も、峰子先生らしい
美しい書です。

峰子先生の作品は、会期を通して展示されていましたが、かな部門が、後期であったため、
8月3日、オミクロン対策をしつつ、有志にて行ってきました。暑い日で、乃木坂駅からのちょっとした距離に、日差し(雨)よけがなく、黒川紀章氏、そこまで気づかなかった? or デザインを優先した? なんて言いながら・・・。
その日は、開場時間が通常より遅い日でしたが、おしゃべりしていたらアッと言う間、やはり、
リアルで会うのは楽しいですね。
峰子先生は、一休みする間なく、8月中に3点を
仕上げておきたいそうです。 お忙しいですね。

さて、作品は、百人一首から。


思ひわび さても命は あるものを
憂(う)きに堪へぬは 涙なりけり

道因法師


道因法師は、当時としては長命で、80歳を過ぎて出家するまでの名を藤原敦頼といい、従五位上の官人でした。晩年は比叡山に住み、90歳を過ぎても歌会に出席し、講師の近くに座って、歌の講評に熱心に耳を傾けていたそうです。
一方では、ケチで有名とも。現役最高齢で、敬意をもって迎えられたでしょうが、歌道への熱心さゆえに、人々を困らせた逸話も多くあるそうで、うんうん、そういう人、いそうだねえ〜と、目に浮かびそうでもあり、なにやらオモシロさも感じますよね。

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第55回玉松会

2022.4.5〜10

東京銀座画廊・美術館で第55回玉松会書展が開かれました。
峰子先生の作品は、どれも美しいのですが、会場の奥正面に展示されたこの作品は特に
料紙の雰囲気と色合いに、額も見事にマッチしてとても美しく、写真では、
その見事な美しさをお伝えすることができなくて、残念です。
まだ数日ありますから、お時間とエネルギーのある方、銀座にお出向きの方は、是非。
 なお、この作品は、4月7日の毎日新聞「書の世界」欄に掲載され、
「計算された余白による情趣の広がり」と評されました。


花の香に衣はふかく成りにけり
木の下かげの風のまにまに

紀貫之


もうひとつの作品は、裂地(マット)が
とても豪華です。型を判のように押して
模様を作っています。


鶯も笠きていでよ花の雨

利休


こちらは、会場の入り口近くに展示されていた
お孫さんの作品。高校三年生になられたそうで、
時の早さに、ビックリです・・・
古典のお手本を見ながら書く「臨書」の中でも、
忠実に形を真似て書く「形臨」の作品で、
多くのことを学ぶことのできるそうです。
小さい文字を細い筆で、丁寧に描かれていました。




 

なお、下記ページから、会場の動画がご覧になれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Ncn_YDskA2A

 

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斯華会 高橋敏美さん

2022.2.24〜27

 

今回の作品は、大作です。上杉謙信の
生涯一作の漢詩「九月十三夜陣中作」を草書体で書かれたとのこと。 今回もまた、優秀賞を
受賞されています。素晴らしいですね。


九月十三夜陣中作  <上杉謙信>

霜は軍営に満ちて 秋気清し
数行の過雁 月三更
越山併せ得たり 能州の景
遮莫 家郷の 遠征を思うを
雲ゐにまがふ 沖つ白波
【意味】霜はわが陣営に満ち満ちて、秋の気は清く澄みわたり、いかにもすがすがしい。空を仰ぐと、幾列かの雁が鳴き渡っており、夜半の月は皎々と冴えわたっている。さて今夜は、越後、越中の山々にさらに能登も併せて、まことに雄大な景色が眺められることだ。故郷の家族たちが遠征のわが身を案じていようが、それはそれでかまわない。(今夜はこの明月を心行くまで眺めようではないか)

越後領主上杉謙信は、越中制圧後、能登に出陣。七尾城攻めの9月13日が仲秋の名月に次ぐ明月であったため、陣中の兵士の慰労を兼ねて月見の宴を開いた。写真は、七尾城址展望台から望む立山連峰。昨年11月末に撮影したそうです。

 

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現代女流書100人展

2022.2.16〜21

 

ワクチンのブースター摂取を終えたので、
リアル鑑賞会に行ってまいりました。
オンライン以外で会うのは、3年以上ぶりで、
マスクをしたまま、立ち話だけでしたが、
気持ちが高揚し、楽しい時間でした。

今回は、百人一首から、有名な・・・


わたの原 漕ぎ出でて見れば 久かたの
雲ゐにまがふ 沖つ白波

法性寺入道前関白太政大臣


この写真では判りませんが、
使用している料紙には、「金銀砂子・・・」と
童謡にも歌われている砂子が使われていて、
シックでとても凝ったものでした。

峰子先生が説明してくださっています。
招待券のない方は入れないのですが、それで、
ディスタンスを保てている感じでした。

 

 

現代女流書100人展のお知らせ

案内しづらい状況ですが・・・と、平川さんより、現代女流書100人展のご案内が届きました。
2月16日(水)から21日(月)まで、日本橋高島屋8階ホールにて行われます。
コロナ禍なので、入場するには、招待状(一枚で2名まで)が必要です。
ご希望の方は、平川さんまでお願いします。

 

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書道芸術院秋季展

2021.10.5〜10

 

例年通り、セントラルミュージアム銀座で、
書道芸術院秋季展が開かれました。
今回は、百人一首から、かの有名な


小倉山 峰のもみぢば 心あらば
今ひとたびの みゆき待たなむ

貞信公


「をぐら」をひらがなに、「もみぢ」を変体がなにしてみたそうです。
今回の作品を拝見すると、音として聞く歌の印象よりも、強い願いのようなものが感じられ、
ひらがなにするか、どの変体仮名を選ぶかで、
解釈というか、書家の気持ちを載せることが
できることを知りました。
力強く、美しい作品をありがとうございました。
ところで、皆さま、読めますか〜?


なお、竹橋のアートサロン毎日でも、
書道芸術院推薦作家展が併催されました。

 

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第54回玉松会

2021.4.13〜18

 

4月12日、東京都では「まん防」が適用され、
その翌日の13日から鳩居堂画廊で第54回玉松会が開催されました。ほんとにねえ、今回もです。
でもね、4月15日の毎日新聞文化欄に掲載されました。平川さんが取材対応されたそうです。

どうやら、ワクチンが行き渡ったとしても
今年いっぱいは、集うこと、難しそうですね。

さて、今回の作品は、百人一首でもおなじみの「いにしへの奈良の都の八重桜・・・」です。


いにしへの 奈良の都の 八重桜
けふ九重に にほひぬるかな

伊勢大輔


皆さま、解除の日まで、頑張りましょう!

 

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書道芸術院展

2021.2.5〜11

 

緊急事態宣言下、東京都美術館で開かれた
書道芸術院展。 例年ならば、
なんちゃって弟子たちは上野に集い、
作品を拝見し、 お茶して帰るのが定番なのですが、悲しいかな、このコロナ禍、
集えない春は、2年目となりました・・・。

さて、右の作品は、源氏物語より
縦240センチ・横55センチの作品です。


世の常に思ひやすらむ露深き
道の笹原わけて来つるも

源氏物語

 

下の作品は、学生展の指導者コーナーに
毎年出品されている小品とのことです。


心なき身にもあわれはしられけり
鴫立つ澤の秋の夕暮れ

西行

この和歌の最後「秋の夕暮れ」が有名で、
「さびしさはその色としもなかりけり槙立つ山の秋の夕暮れ」寂蓮、「見渡せば花も紅葉もなかりけり浦の苫屋の秋の夕暮れ」定家と合わせて、「三大秋の夕暮れ」と言われているそうです。
いろいろ、お勉強になりますね。

また、この和歌に詠まれている鴫立つ庵は
旧吉田茂邸もある大磯町にあるそうですが、
宣言下の今は閉庵のようです。

 

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コロナ禍で 平川峰子先生より

2021.1.17

「2月の書道芸術院展は、
東京都美術館が昨年のように閉館されたら、 無くなりますが、通達の時期によって表具代金が変わります」とのお知らせが
表具屋さんから来たそうです。
大変ですね・・・

例年、全国から300人以上出席して、
帝国ホテルで開催される、表彰式、祝賀会も、今年は 無くなるそうです。

「 4月の玉松会展は、
鳩居堂の3、4階で開催予定ですが、
とにかく 制作に取り掛かりました 」
と、平川さんは、仰有っています。

右の写真の表具店の社長さんは昨年、
コロナ感染が原因で逝去されたそうです。
身近に迫ってきましたね。気をつけましょう!

 

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斯華会 高橋敏美さん

2020.7

コロナにもめげず開かれた斯華会です。

今回の作品は、
唐の詩人白居易(白楽天)の「江楼宴別」という長江のほとりで催された送別の宴の詩の中の一節。

寒流月を帯びて澄むこと鏡の如く、夕吹霜に和してさときこと刀に似たり

白居易 「江楼宴別」より

意味は、
冬の川の流れに月が映り、
澄みきった水面は鏡のようだ。
夕風は霧の気を含んで、
刀のように鋭い。

高橋さんによると、
この漢詩の前半は、宮本武蔵や山岡鉄舟も好み、
武蔵の書も残されているとのことです。

 

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書道芸術院秋季展

2019.10.8〜13

 

百人一首から

 

世の中よ道こそなけれ思ひ入る
山の奥にも鹿ぞ鳴くなる

皇太后宮大夫俊成

 

皇太后宮大夫俊成(1114~1204)とは、
藤原俊成のことで、『千載和歌集』の編者として
知られる。また、藤原定家の父でもある。
最終官位は正三位・皇太后宮大夫。ゆえに
「皇太后宮大夫俊成」と呼ばれるらしい。

この和歌は、弟のように思っていた佐藤義清(西行)が出家したと聞いたときにつくったものだと伝えられています。

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斯華会 高橋敏美さん

2019.5.9〜12

またまた長いですね。今回は、
林鴻(中国・明時代)の漢詩「飲酒」を草書体で
書いているそうです。
そしてまた、優秀賞を受賞。
毎回、賞をもらっていますよね、エライ! ご立派!

高橋さんのコメント:
題材は私の先生が選びましたが、前回も李白の「月下独酌」で酒に因んだ題材でした。 弟子の私が呑兵衛だからかも・・・。。

 

 

 

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第52回玉松会

2019.4.2〜7

 

今回は百人一首から2首

 

滝の音は絶えて久しくなりぬれど
名こそ流れてなほ聞こえけれ

藤原公任

 

下の作品は

 

高砂のをのへの桜さきにけり

外山のかすみ立たずもあらなむ

大江匡房

前回の玉松会でも書かれていますが、
料紙が変わると雰囲気も変わりますね。

 

 

 

 

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第51回玉松会

2018.4.3〜8

今回、平川さんは3作品を出品。いつもは離れて展示されることが多いのですが、今回は並んで展示。
美しさと力強さが一層際立っていて、素晴らしかったです。

 

 

まずは、

 

野に出れば人みなやさし桃の花

高野素十

 

続いて、

 

高砂のをのへの桜さきにけり

外山のかすみ立たずもあらなむ

大江匡房

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、

 

 

 

世の中は常にもがもな渚こぐ

あまの小舟の綱手かなしも

源実朝

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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書道芸術院創立70周年記念役員作品巡回展

2017.10.3〜8

しらぎくの 夕影ふくみそめしかな

久保田万太郎

 

書道芸術院の創立70周年を記念して、文字通り
全国13カ所を巡回しています。
右の作品は、会場の入り口、まさに最初に目に入る
場所に展示されていました。

 

 

もうひとつ、石井露月の句が書かれている
金箔が輝く美しい料紙の作品がありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




書道芸術院秋季展

2017.10.3〜8

やすらはで 寝なきしものを さ夜ふけて
かたぶくまでの 月を見しかな

赤染衛門

 

百人一首、後拾遺集に出ている恋の歌です。
こういうキモチを持てるって、いいですよね。

 

会場で、平川さんのお弟子さんで、ご自身も出品されていた桂右團治さんにお会いしました。右團治さんは、 女性の落語家として落語芸術協会初の真打ちで、20年以上にわたり活躍されていますが、ホンワカした印象がステキな方です。

http://www.udanji.com/


右團治さんの書。オシャレですね。



 

 

 

 

 

 

 

 




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第69回毎日書道展

2017.7.12〜8.6

東の野にかぎろひたつ見えて
かえり見すれば月傾きぬ

柿本人麻呂

 

いつもながらの美しい作品でした。とは、写真を送ってくれた高橋敏美さんの言葉です。
私は作品を見た瞬間、清冽という言葉が浮かんできました。本当に美しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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斯華会 高橋敏美さん

2016.6.16〜18

長文の文字を書かれていて、もうそれだけで、
気が遠くなりそうです。ご立派ですね。

高橋さんのコメント:
今回は思いがけず「奨励賞」を頂きました。
書道を初めてから15年目になり、まだまだの感は年々つのりますが、これからも(マイペースで)頑張って行こうか、と思っております。

 

 

 

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第50回記念玉松会

2017.2.28〜3.5

川の瀬は夜半もひびけり明時の

しらじらとして響きけるるかも

土屋文明

 

潔いシャープな線がとても美しい作品でした。

 

 

下の書は、平川さんのお弟子さんの落語家の
桂右團治さん(初の女性真打ち)の作品です。
(高橋敏美さん撮影)

ちはやぶる神代も聞かず龍田川

からくれなゐに水くぐるとは

在原業平
 

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第70回記念書道芸術院展

2017.2.16〜21

わかくさの・・・で、始まる和歌です。

 

ゴメンナサイ、読めませんでした・・・。

 

秋空を吸い込むややの欠伸かな

 

お友達のお嬢さんの句で、プレゼント用だそうです。

いいですね。

 

 

 

 

 

 


 
 

それから、これは、なんちゃって弟子の中でも
自他共に認めるチョー落ちこぼれの作品ですが、
峰子先生の見捨てぬご指導により、何やら鬼の
霍乱状態とも相まって、出品していただけることに。



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書道芸術院秋季展

2016.10.4〜9

山川に 風のかけたる しがらみは
流れもあへぬ 紅葉なりけりく

春道列樹

 

百人一首(32番) 古今集 秋下・303

 

春道列樹(はるみちのつらき)
春道氏は物部氏の末流で、延喜10年(910年)に文章生となり、大宰大監を経て、延喜20年(920年)に壱岐守に任じられたが、赴任前に没したそうです。

 

しがらみとは、
水の流れをせき止める柵のことだそうで、
それを知ると、鮮やかな光景が目に浮かぶようで、
この歌の持つ魅力が伝わってきますね。

 

それゆえか、多くの派生歌が生まれているようです。

 

 

 

 

 

 

 




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玉松会十四人書展

2016.7.9

ながむればころもでさむし夕月夜
佐保の川原の秋の初風     

実朝

右の小品も実朝の同じ歌で、万葉仮名を変えて
書いたものです。


下の書は、説明してもらったはずなのに
忘れてしまい・・・ゴメンナサイ。

 

玉松会
ちょうど玉翠会の日で、銀座に集まってから、
みんなで品川の会場に移動しました。

 

tamamatukai

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恒例 斯華会 高橋敏美さん

2016.6.28〜7.3

「探春」(春を探る。唐 太宗)


沖縄への親孝行旅行直後の提出だったそうで、

本人的には、今ひとつとの思いがあるようですが、
つづけること自体が、リッパですよね。

(そういえば日焼けしている・・・)

 

 

 

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玉松会

2016.4.5〜1

流星も縄飛びすなる子のやうに
優しく見えて川風ぞ吹く

与謝野晶子

 

今回のテーマは、「星」だそうで、与謝野晶子の
歌が五首も選ばれていて、
なるほど、そうなんだ・・・と。

 

会寿の雰囲気は、こんな感じ・・・。
右端に写っているのは、社会福祉士として多忙な
日々を送る鈴木さんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 

現代女流書100人展

2016.1.21〜27

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恒例 斯華会 高橋敏美さん

2016.1.26〜31

蘇公の逸興孤舟に在り。無尽の江山半夜の秋。後八百年東海の客。月明酒をそそいで黄洲を過ぐ。


実業家でもあった、明治時代の漢詩人で書家の田辺碧堂(岡山生)作の漢詩「赤壁」だそうです。
長いから、大変だったことでしょう。

 

 

 

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書道芸術院秋季展

2015.10.6〜11

今回は、珍しく横書きでした。美しいです。

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毎日書道展

2015.7.8〜8.2

天の原 雲なき宵に 久か たの
月さえ渡る かささぎの橋

正岡子規

 

いつも思いますが、
書の美しさは、写真では表現できません。

皆さまも、是非一度会場まで足をお運びくださいね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 

 

 

玉松会

2015.7.9〜14

草枕旅路かさねてもがみ河

行くへもしらず秋立ちにけり

正岡子規

 

今回は、4点の作品が出展されていましたが、

撮影の腕が悪く、

3点だけの掲載になりました。

毎日新聞にも記事が出て、平川さんの作品が
紹介されています。

右クリック「 画像だけ表示」で記事を読むことが出来ます。

 

 

 

 

 

 

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恒例 斯華会 高橋敏美さん

2015.6.30〜7.5

我忘吾

今回は、字数が少ないですね。

 

 

 

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玉松会

2015.4.3〜8

末の露もとの雫や世の中の
おくれさきだつためしなるらむ

素性法師

 

すえ(ゑ)の露もと(登)の雫や世の中の(能)

お(於)く(具)れさき(支)だ(堂)つ(津)

た(多)め(面)し(之)な(那)るらむ(無)

 

 

素性法師は、僧正遍昭 (へんじょう) の息子で
桓武天皇の孫だそうです。

 

書の世界では、墨、硯、筆、紙が文房四宝(ぶんぼうしほう)と言われ、道具としての役割を超えた存在として、古来より珍重され鑑賞されてきたそうです。

 

 

 

 

 

 

 




 

 

 

かな書道作家協会展

2015.2.17〜22

夕櫻けふ(今日)もむかし(昔)に
成りにけり

一茶

 

ゆふ(遊)櫻け(氣)ふ(布)も(毛)む(無)
か(可)し(之)に(耳)な(奈)り(李)に(二)け(介)り(理)

 

 

高橋さんが撮影してきてくれました。
私も上野の帰りに寄ろうと思っていたのですが、
銀座線で、つい座ってしまったら、寝てしまい、
通り過ぎてしまいました・・・。

 

昔、よくお年寄りが、気持ちよさそうに
うたた寝?していたなぁ〜〜〜

 

 




 

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書道芸術院展

2015.2.17〜21

雪のこる土のくぼみのひとところ
ここをとほりてなお遠ゆくか

島木赤彦

 

雪の(濃)こ(古)る土のく(久)ぼ(保)み(美)の(乃)ひ(飛)と(登)ところこ(許)こを(呼の口へんが無い)と(東)ほ(寶)りて(天)な(奈)ほ(本)遠(とほ)ゆく(具)か(家)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

村雨の 露もまだ干ぬ 槙の葉に
霧立ちのぼる 秋の夕暮れ

寂蓮法師

 

百人一首、新古今和歌集にも これは有名ですね。

色紙?の縁取りの朱が、ほのかに色っぽくて、
とっても粋です。

 

 

 

 

 

恒例となりました 斯華会 高橋敏美さん

2015.2.3〜7

今回は、漢詩でしょうか。文字が多いですね。
大変そう〜・・・

努力賞を受賞されています。パチパチ

 

 

 

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玉松会書展

2014.7.10〜15

今回、平川さんは、3作品を出品。どれも素晴らしいものです。上から順に

 

山里の みねのあまぐも とだえして
ゆふべ涼しき まきのした露

太上天皇

 

雲間より ほしあひの空を見渡せば
しづごころなき天の川波

祭主輔親

 

鳴く蝉のこえも涼しきゆふぐれに
秋をかけたる 森のした露

二條院讃岐

平川さんの書は、書の美しさもさることながら、
表装がとてもオシャレでステキなのです。
こうした日本の伝統技術を守っていくことも
役目のひとつとお話しされていました。

 

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玉松会書展

2014.4.3〜8

大空は海の色なす深みどり
かすかに花のうごきたるらし

 

太田水穂


光と色と動きを感じる、素敵な歌ですね。
なんだか、パステル画のような、印象派の絵のような
感じがします。

太田水穂は、大正-昭和時代の歌人で、国文学者でもあり、芭蕉研究に力を注いだそうです。

 

 

書道芸術院展

2014.2.16〜21

もろともに あはれと思へ 山桜
花より外に 知る人もなし

 

前大僧正行尊 百人一首 66番

       平川さんと会場でお会いしました。

 

高橋敏美さんから、「墨の濃淡、シャープな線、
印の位置他、感じ入りまし た。」
とのコメントが寄せられています。

 

春の野に 霞たなびきうら悲し   
この夕かげに 鶯鳴くも

 

大伴家持 万葉集

 

 

 

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飛び入りの常連 斯華会 高橋敏美さんの作品。

2014.1.26〜1.31

今回は、力作、長いですねー。

何を書いてあるのかについては、問い合わせ中です。
少々お待ちを。

 

 

 

 

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書道芸術院秋期展

2013.10.1〜6

あはれいかに草葉の露のこぼるらん
秋風立ちぬ宮城野の原

 

西行 新古今和歌集より


ああどのようにしげく草葉の露がこぼれていることであろうか。 秋風の吹き始めた宮城野の原よ ・・・という意味と教えてくれたのは、新発田さんで、

平川さんからは、

和歌の釈文(しゃくもん)と字母(じぼ)です。ということで、

あ(安)は(波)れ(連)いか(可)に(耳)草葉の(能)露(川)(遊)のこぼ(本)るらん
秋(阿)(支)風立(多)ち(地)ぬ宮城野のは(者)ら(良)

と書かれているそうです。

さあ皆さま、読めますか?

 

 

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毎日書道展

2013.7.10〜8.4

秋風にしばし止むらまらむ露の世を
誰か草葉の上とのみ見む

 

紫式部


源氏物語。明石中宮が、亡くなる前の紫の上を慰めるために、詠んだ歌のようです。

 

 

 

玉松会14人書展

2013.7.9〜14

吹きまよふ雲井をわたる初鴈の
つばさにならすよものあきかぜ

 

藤原俊成女


書道紙の地模様を生かし、「吹きまよふ」が上段に
書かれているのは、斬新ですよね。
加えて、地模様に合わせた表装がされていて、
表具師さんも、我々同様に、このヒラメキに
感動されたことが、うかがわれますね。

 

 

 

蟋蟀夜寒に秋のなるままに弱るか
声のとほざかり行く

 

西行

 

余談ながら、
西行は、出家僧なのに? 自由人的印象・・・
されど、詳しくを知らず・・・。
評判が悪かった大河「平清盛」は、近年の歴史解釈を
盛り込んでいたのが、気に入って、時々見ていて、
西行のことも、なーるほどね、と思ったりしました。

 

 

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飛び入りも常連に! 斯華会 高橋敏美さんの作品。

2013.6.28〜7.1

雲従龍

易経に「雲従龍、風従虎」とあり、ともに
「名君は賢臣を得る」という意味だそうです。

 

なるほど、確かに・・・。

 

 

 

 

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玉松会

2013.4.23〜28

心あてにそれかとぞ見る白露の
ひかりそへたる夕顔の花

 

源氏物語


夕顔と光源氏が出会うきっかけとなった歌。
立ち寄り先の隣家から夕顔を載せて届けられた扇に書かれていた、花を所望されたのは、源氏の君ではありませんか?という内容らしいです。
夕顔は、六条息御所の物の怪に殺されてしまうのですよね。こわいですね・・・。
げに恐ろしきは、嫉妬なりけり・・・。

峰子先生の書は、いつものように美しく、また今回、
上段と下段に離して書かれているのもステキですね。
水の流れの模様にも夕顔のはかなさが表れている気がします。

 

 

 

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毎日書道展 毎日賞


私たちの峰子先生は、なんと、
あの毎日賞を受賞されていたんですねーーー。
2002年、日韓ワールドカップが行われていた
ちょうどあの7月のようですよーーー。
よみがえりますね、あの六本木の騒乱???

それはさておき、
そんなことは、まったく知らず、
ノー天気に弟子入り?するなんて・・・
恐縮してしまいますよね。
峰子先生、私たちの誇りですね・・・。

何と書かれているのでしょう、
また伺っておきますね。

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第66回書道芸術院展

2013.2.16〜21

春日野は年のうちには雪つみて
春は若菜のおふるなりけり

 

西行(山家集)


「春日野は(八)年(登し)のうち(遅)に(耳)
は(者) 雪(ゆ支)積(徒)み(三)て  
春(波留)は(盤)若菜の(農)お(於)ふ(不)る
(流) な(那)り(里)け(介)り(利)」
カッコ内は字母。
字母とは、表音文字のこと。

みなさん、解読?できますか?
どの字を当てはめるかによってもずいぶん印象が
違ってくるそうです。

 

実物を目の当たりにすると、
ますます洗練の度を増していることが見て取れます。
美しいですよ。
みなさまも、機会があれば、是非会場まで足を運んで
みてくださいね。(映画の宣伝みたいだけどね。)

 

 

それから、これは山本千津さんの作品です。

ひょんなことから、たまたまの3人で、
峰子先生に、密かに?弟子入り?して2年・・・。
な、な、なんと、入賞の快挙です。拍手!!!

 

衣かへて帯上げあかし厨ごと

久女 俳句

 

千津さんのイメージにあうステキな句ですね。
選択にも、その人のらしさ、個性が出ますね。

 

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再び飛び入り! 斯華会 高橋敏美さんの作品。今回は都美術館への出典。がんばってますね。

2013.2.2〜7

先生に選んで頂いたという16文字の意味は
「人、至愚(極めて愚かなこと)と雖も、人を責めれば即ち明らかなり。聡明ありと雖も己を恕(思いやる)すれば即ち暗し。」
とのことだそうですが、難しいなあ・・・。

 

高橋さんの趣味のひとつである居合道にも
「居合とは 人に斬られず人斬らず、己を責めて平らかな道」という歌があるそうです。

 

 

 

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書道芸術院秋季展

2012.10.2〜10.7

み吉野の山の秋風さよ更けて 
ふるさと寒く衣打つなり

 

参議雅経 百人一首

 

 

 

書の前に立つと、文字のもつ表情や墨の濃淡による
美しさに感動いたしますが、
作者は、ここをあそこをこうすれば良かった・・・と 思うとのことでした。
書の道の深さをまたひとつ学ばせていただきました。

 

書道芸術院創立65周年記念役員作品巡回展

5年ごとに開かれるこの巡回展は、日本全国の13カ所を3月から回っていて、来月の北海道で終わるそうです。

2012.10.2〜10.7

 

一輪の椿にむかひ雨をきく

 

水原秋桜子

 

巡回展併催<東京総局展・小品展>

113名出品の小品展も5年ごとに開催され、今回は、平川さんが企画・陳列・撤回までお手伝いされたそうです。

2012.10.2〜10.7

 

散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 
花も花なれ 人も人なれ

 

細川ガラシャの辞世の歌

 

 

ガラシャのイメージが浮かび上がる美しき小品です。

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飛び入り! 斯華会 高橋敏美さんの作品です。

2012.9.4〜9

麗澤 

友人が互いに切磋琢磨して学び、徳を修めることを
意味するとのことです。

 

中国の古典「易経」から

 

 

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毎日書道展

2012.7.11〜8.5

ゆふぐれの まがきは山とみえななむ 
夜はこえじと
宿りとるべく

 

僧正遍昭 古今和歌集

玉松会14人書展

2012.7.12〜15

しら露に 風の吹きしく 秋の野は
つらぬきとめぬ
玉ぞ散りける

 

文屋朝康 百人一首 37番

 

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