第4回えびす会ホーチミン支部大会報告

2012.6.9 -10
えびす会ホーチミン支部長 渡辺泰充

 今回は、「来たら、国賓『的』待遇でお迎えするから・・・」と、あまねくツアー団員を募集したにもかかわらず、結局これに応えたのは全員リピーター。恵比須会長以下、長田団長、藤井レポーター、苧坂隊員の4名でした。気がつけば、全員社長さん。ホーチミンにはこれといった観光名所がないことを熟知しておられる(=「国賓」ですから、敬語です)彼らは、ホストの「ホーチミンを拠点にして、アンコールワットツアーがお勧めですよ」の言葉にも耳を傾けず、世界遺産のホイアンを経由して、当地にお越しになられました。
 ツアー全体の報告については、藤井レポーターの詳細かつ軽妙洒脱なるフォトレポートがアップされますので、そちらをお楽しみ下さい。したがって、本稿は、ホストによる、隊員たちの心の内面を描く迫真のレポート・・・になるはずです。

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 国賓ご一行のわが現場着は、6月9日(土)14:30。いったん家に帰っていた掃除のおばちゃんは、彼らをもてなすため再度出勤をしてくれました(頼んでいないのに、いい人だな~)。取るものもとりあえず現場へ。空模様が少し怪しい。わが現場は、真ん中に川をはさんで全長3.1kmある。せっかくだから全部見てもらおうと、端から見学を始めたのが(今思えば)失敗だったかも。
 ほぼ出来上がったホーチミン側陸上部の橋を前に、藤井隊員。
「この前来たときは、な~ンにもなかったのにね~」
いやいや、ありがとさん。あなたはいつもやさしい言葉を掛けてくれるね~。ドボクヤは、そんな言葉に有頂天になるのです。
 さて、急がなければ。今回のメインイベントはドンナイ川クルーズ。藤井・苧坂のお二人は前回、25ドル払って片道3時間かけてメコン川クルーズに行かれましたが、今回は無料かつ高速艇による爽快クルーズをお楽しみいただこうというのが、国賓的待遇その1・・・のつもりでしたが、この頃から雨粒がポツリポツリ。クルーズもそこそこに、川の中でどうやって橋の基礎を作るか(「西貢つれづれ窓」第21号で触れた、韓国の技術です)をお見せしなければ。元に戻ってきて、艇を降りた途端、雨がポツリポツリからザーッに変わり、あっという間にドバーッ。見学どころではなくなりました。早々と雨宿りしてわれわれを笑って見送る作業員を横目に、車まで一目散。
 当然、そのときの雨を写真に取る余裕などありませんが、読者各位に「ドバーッ」というのがどんな雨かを理解していただくために、後日撮ったのが下の写真です。

土砂降りスコール

何とか事務所に戻っても、タオルもない。
「こういうこともあるから、タオルも用意しとかなくっちゃね」
と、今度は厳しいお言葉が国賓から。私の着替え用のシャツをタオル代わりに、会長の新聞紙を身体に巻けとの指示を忠実に守る隊員たち。
 「俺はジャンパー(って、死語か)を持ってきて助かったよ」と言う会長のン万円のシャツに何やら染みが・・・。どうも紺色ジャンパーから色が出たらしい。ジャンパーはン百円かい?
 まあ、いろいろありながら、掃除のおばちゃんに淹れてもらったベトナムコーヒーで乾杯。国賓的待遇第1弾は、無事ではないけれど、まずは終了です。
 市内への帰途、車中でホイアンの出来事を聞いてもムニャムニャ。奥歯にものの挟まったような答えしか返ってきません。食事の席でゆっくり、ということになったのですが、その食事の席ではその話題は結局出ませんでした。真相(?)は国賓たちの帰国後、明らかになります・・・

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 夜は、国賓的待遇第2弾。これまでの支部大会は、どちらかというと高級(ときどき「超」高級)レストランを選んでいましたが、今回は観光客が一人もいないローカル海鮮料理屋。まあ、それだけホストの生活がローカル化したということでもありましょう。ということは、ここでは英語も、ましてや日本語など100%通じません。そこで、美人秘書軍団を注文係に呼んでおいたのですが、せっかちの老人たちは早く着くし、美女たちは化粧に時間がかかる。結局、注文は自分たちでする羽目になりました。幸いなことに、ここには生簀があって指であれやこれやと注文できます。料理方法は、「□▲☆※!◇?」と聞いてくるから、適当に「OK,OK」と答える。
 藤井隊員のフォトレポートでお気づきの読者もおられるかと思いますが、彼女のレポートには料理の写真が極端に少ないのです。料理を前に写真どころではない、という氏の人生哲学が伺えます。ということで、1枚の写真でこの日の料理のすべてをお知らせしましょ う。

宴会1宴会2

 手前から、若い(熟す前の)マンゴーと小エビのサラダ、巨大シャコのグリル(苧坂隊員、たってのご希望でした。何でも、お嬢さんからベトナムに行ったらこれを食べなきゃ、と言われたそうな)、名称不詳の巨大2枚貝のバター炒め、蓮の茎のサラダ(定番です)、生蛸(まだ動いている足を、わさび醤油で食べます。美人秘書たちは、とんでもないという顔で拒否)、再びシャコがあって、その向こうにもう誰も見向きもしなくなった名前不詳貝のレモングラス風味(これが一皿目だったので、当初は右写真のような状況でした)の名残りがあります。
 このあと白身の魚が出てきて、みんなおなか一杯、満足満足のローカルディナーでした。そこへ、某隊員から、
「この前の高級フランス料理もいいけど、こういうのもいいね~」
おいおい、余計なこと言うなと思っていたところへ、
「えっ、私まだ連れて行ってもらってないよね」
と、女房殿の一言。でもあれは大したことなかったよね、と言ってくれと目で合図しても、お気づきにならないご様子。国賓とはいいながら、よその家庭に波風を立てないでくれよな~、頼むぜ、ホンマニ。
 二次会は当然、Piano Bar Watanabe。明日は早いから、などと言いながら、長田団長ご持参の特別純米酒「限定瓶囲い 天遊琳」と、国賓たちのための取っておいた「響17年」(以前来たゲストにもらったものです)が、快調になくなってゆきます。本来ならば、ホスト演奏の「エリーゼの為に」でもてなすはずが、左手指運動障害(首の神経から来ているらしいです)のために代役がおもてなし。適当に酔っ払ったところでお開きとなりました。

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 ホーチミン2日目の朝は、会長・ホストのゴルフ組と長田・苧坂・藤井の観光・買物組で別行動。ゴルフは朝5:45のスタートだから二人は4時起き。昨日の酒のせいか、会長10位、ホスト7位(10人中)という成績でした。
 この日の深夜23:50にホーチミン発という国賓たちの都合を考え、ホストが用意したベトナム最終日ディナーはサイゴン川沿いのレストラン。17:30開宴。夕焼けに染まる国賓たちの頬をご覧下さい。ン?顔が赤いのは酒のせいか?

宴会3

 ここは、人呼んで(って、私ですが)「ホーチミンのパリ」。市内の喧騒から少し離れた2区(呼び方もパリっぽいでしょ)にある、欧米人居住区です。街の一画を大きな塀で取り囲み、邸宅が立ち並ぶ区画の中にあるレストランです。入り口には門番、入るのにも一苦労です。料理は、イタリア、インド、イギリスからモロッコ系まで。
 パリの雰囲気とメコンの夕陽を堪能し、多国籍料理を楽しんでいただいて、国賓たちは半分酔っ払ってお帰りになりました。皆様、ご満足いただけたでしょうか。次回は是非、ホーチミンを拠点にしてアンコールワットツアーをお楽しみ下さい。

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 というところでしかし、レポートはまだ終わりません。例の「奥歯にものの挟まった」話題が残っています。ツアー解散後、明らかになった真実とは・・・?
 いや、大した話ではなかったのです。藤井レポートにある初日のスペシャルゲスト(私の元同僚です)に、ベトナム人妻がいるのではないか、という疑惑でした。そんな器用なことのできる男ではないはずだがと思いましたが、まあアッシには関わり合いのないことで・・・
 そんなことより、問題は会長によるナンパ事件。わが会長は、山梨から来ているという婦女子を自席に誘うという暴挙(?)に出たのでありました。見ず知らずの国で、見知らぬ日本人から声をかけられ、ホイホイと誘いに乗るなんて・・・と、その場に加われなかったオジサンは憤っておりましたが、彼女たちはなかなかの若者だったようです。苧坂隊員の事後報告メールによれば、何でも河口湖周辺でコンサートを開き、その収益金でカンボジアに学校を建てる援助をしているとか(heri.jpに、その活動がアップされています)。今回はその途中にホイアンに寄ったとのこと。
 で、話はこれで終わりません。ナンパに加われなかった私としても、さすがに旅はいい出会いを作るもんだと感心し、早速上記HPを覗きました。Youtubeで映像も見ました。こんな若者たちがいるのに、俺は何をしてるのだと自問して、思わずユニセフの毎月募金に申し込みました。
ところが、ネット上には「日本ユニセフ協会は、国連ユニセフとは別ものです。募金しても意味無し…」などという書き込みも。あわてて取り消そうと思いましたが、Wikipediaにはそれほど悪い団体でもないと書いてあるし、結局そのままにしました。
当事者でない小心者のオジサンが、情報過多に右往左往というお話でした・・・最後はどうでもいい話になりましたが、ホーチミン支部大会報告はこれでおしまいです。
第5回ホーチミン支部大会の開催に向けて、皆様の気運が盛り上がることを祈念しております。

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